第5問配点 3点
以下の文章の空欄(ア)から(エ)までに当てはまる語句の組合せとして正しいものを,後記1から5までの中から選びなさい。(解答欄は,[№5])
日本語を教えていると,よく知っていたはずの母語について思わぬ発見をすることがある。例えば,助詞の「は」と「が」の使い分けである。「あれが,スカイツリーですよ。」と「あれは,スカイツリーですよ。」は,どう違うのか。ある人がスカイツリーを知らない人に教えているという点では,二文は一致している。しかしながら,「スカイツリーは,どれですか。」という質問に対して,「あれが,スカイツリーですよ。」は自然だが,「あれは,スカイツリーですよ。」という答えには,多少の違和感を覚える。ただ,この場合,「スカイツリーは,あれですよ。」と答えることはできる。なぜだろうか。日本語学習者用の辞書を見てみると,「は」と「が」の使い分けに関して,興味深い説明が載っている。どうやら,両者の使い分けには,話し手と聞き手の双方にとっての情報の新旧が関係しているようだ。すなわち,「スカイツリーは,どれですか。」という質問に対して,「あれが,スカイツリーですよ。」と答えることができるのは,「スカイツリー」が(ア)だからである。「スカイツリーは,あれですよ。」と答えることができるのも,同じ理由による。一方,「あれは,スカイツリーですよ。」という答えを導く質問は,「あれは,何ですか。」である。この場合は,「あれ」は(イ)であり,「スカイツリー」は(ウ)である。この規則に従えば,「どれが,スカイツリーですか。」という文において,「どれは」と表現しない理由が説明できる。「どれ」「誰」「いつ」などの疑問詞に接続するのは,常に「が」であって,「は」ではない。なぜなら,「が」は(エ)を意味しているからである。こう考えていくと,昔話の冒頭文が,「あるところに,おじいさんとおばあさんがいました。」となっている理由も納得できる。
1. ア 新情報 イ 旧情報 ウ 新情報 エ 旧情報
2. ア 旧情報 イ 旧情報 ウ 新情報 エ 新情報
3. ア 新情報 イ 新情報 ウ 旧情報 エ 旧情報
4. ア 旧情報 イ 新情報 ウ 旧情報 エ 新情報
5. ア 旧情報 イ 新情報 ウ 新情報 エ 旧情報