第10問配点 3点
哲学的な認識に関する基本的な語句についての説明として最も適切なものを,次の1から5までの中から選びなさい。(解答欄は,[№10])
1. 「考えるわれ」デカルトは「われ思う,ゆえにわれあり」を哲学の第一原理に置き,この「考えるわれ(精神)」から出発して,個々の存在の確かさを証明できるとした。この「考えるわれ」である精神は,個々の事象を観察することから得た普遍的概念に基づいて,それ以外の様々な存在を論理的推論によって証明することができるとした。
2. 「タブラ・ラサ(白紙)」ロックは,全ての知識の源泉は感覚と内省の働きによる経験にあるとした。ロックによると,「白紙」の状態である心の中に印象として蓄積された知識は主観的な経験によって得られた観念にすぎないため,あらゆる知識は蓋然的なものにすぎず,人は確実な知識を得ることができない。
3. 「弁証法」ヘーゲルは,もともと対話・問答という意味を持つこの思考方法を,現実世界を捉える方法として練り直した。ヘーゲルによると,存在するものは,固定したものとしてではなく,互いに否定し合う矛盾や対立の要素が相互に作用することによって高次なものへと変化するものとして把握されるとき,正しく認識される。
4. 「創造的(実験的)知性」デューイは,物事を正しく認識することを,疑念(不確かなもの)から信念(確信)に至る探究である,と考えた。デューイは,誤謬や例外を学問的認識から完全に排除するために,経験において,信念を真理としなければならないとした。
5. 「認識のコペルニクス的転回」カントは,知覚的に経験されるものから構成される世界を現象界と呼び,人間が知ることができるのはその世界に限られるとした。だから,知覚できない物そのものや,神,自由は認識することはできない。このように,個々の対象が,私たちの認識に従うのではなく,私たちの認識が個々の対象に従うのである。