第2問配点 3点
基本的な哲学用語とそれに対する説明として最も適切なものを,次の1から5までの中から選びなさい。(解答欄は,[№2])
1. イデア:イデアとは,一般的に言えば,「あるものをそのものたらしめているもの」である。様々な犬がいるが,それを犬たらしめているものが犬のイデアであり,「善い」とされる様々なものを「善いもの」たらしめている「善さそのもの」が善のイデアである。イデアこそが真の実在であり,うつろいやすい人間の精神のうちに形成される観念(idea)とは異なるとプラトンは考えた。
2. 方法的懐疑:デカルトは初めて自覚的かつ方法的に懐疑を遂行した哲学者であった。そこに机があるという感覚は幻覚あるいは夢であるかもしれない。絶対確実と思われる数学でさえ,誤りであるかもしれない。こうして,絶対確実なことは何一つ知りえないという人間の本質的な有限性を示すために,デカルトは全てを徹底的に疑った。これが「方法的懐疑」と呼ばれるものである。
3. 物自体:我々の経験は主観の形式-時間・空間という形式,及び実体や因果等の諸カテゴリー-によって構成されており,それゆえ主観的なものとなっている。そこでカントは,主観の形式によって構成される以前の客観的対象そのものを「物自体」と呼び,物自体を正しく認識するためにわれわれの理性の使用を厳しく批判し,制限した。
4. 道具主義:観察は理論に先立ってなされうると考えられるかもしれないが,デューイはプラグマティストとしてそのような考えを批判した。理論という道具によって初めてものごとを正しく見ることも可能になるというのである。この考えに基づき,デューイは,理論の正しさを「絶対確実な真理を認識するための最も有用な道具であること」と規定した。
5. 世界内存在:私は決して世界の中の一つの対象として存在するのではない。私の死によって,私にとってのこの世界は終焉する。世界がまずあり,そこに私が生まれるのではない。逆である。まず私が存在し,それによって世界が成立する。このような,世界の成立以前に存在し,世界を成立させる「私」の存在の在り方を,ハイデガーは「世界内存在」と呼んだ。