第23問配点 3点
A市では,職員の非違行為の類型とそれに対して課されるべき懲戒処分の種別及び程度を規定した内部基準(地方公務員法第29条第1項第1号にいう条例,規則又は規程のいずれにも該当しないもの。以下「本件基準」という。)を定めているが,A市市長は,職員Xに対し,本件基準よりも厳しい懲戒処分(以下「本件処分」という。)を行った。そこで,Xは,本件処分の取消訴訟を提起した。この事例に関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[№49]から[№52])
(参照条文)地方公務員法
第29条職員が次の各号の一に該当する場合においては,これに対し懲戒処分として戒告,減給,停職又は免職の処分をすることができる。
一この法律若しくは第57条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例,地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
二職務上の義務に違反し,又は職務を怠つた場合
三全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合2~4(略)
ア. 最高裁判所の判例によれば,公務員に対する懲戒処分は,当該処分が社会観念上著しく妥当を欠き,裁量権の範囲を超え,又は濫用したと認められる場合に違法となるものと解されている。[№49]
イ. 行政規則の中には,いかなる場合にいかなる処分を行うかを行政法規が行政庁の判断にゆだねている場合において当該裁量権の行使の仕方を定めるもの(裁量基準)が存在するとされるが,本件基準はこれに該当する。[№50]
ウ. 最高裁判所の判例によれば,行政機関が裁量基準を定めたにもかかわらず,その基準に違背する処分をした場合,当該処分は,裁量権の範囲を超え,又は濫用したものとして,原則として違法となるものと解されている。[№51]
エ. 裁判所は行政規則には拘束されないとの見解を採ると,本件処分が本件基準よりも厳しいものであるという事情は,本件処分の違法性に関する受訴裁判所の判断に影響することはない。[№52]