第24問配点 3点
行政裁量に関する次のアからエまでの各記述について,法令又は最高裁判所の判例に照らし,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[№50]から[№53])
ア. 出入国管理及び難民認定法第26条第1項が外国人の再入国許可に関して許可の判断基準を特に規定していないのは,再入国の許否の判断を法務大臣の裁量に任せ,その裁量権の範囲を広範なものとする趣旨であると解されている。[№50]
(参照条文)出入国管理及び難民認定法
第26条法務大臣は,本邦に在留する外国人(中略)がその在留期間(在留期間の定めのない者にあつては,本邦に在留し得る期間)の満了の日以前に本邦に再び入国する意図をもつて出国しようとするときは,法務省令で定める手続により,その者の申請に基づき,再入国の許可を与えることができる。この場合において,法務大臣は,その者の申請に基づき,相当と認めるときは,当該許可を数次再入国の許可とすることができる。2~7(略)
イ. 国家公務員法第82条第1項の定める懲戒処分について懲戒権者に裁量が認められる理由の一つは,懲戒処分の決定に当たっては,公務員の非行の原因,動機,性質等のほか,当該公務員の行為の前後における態度,処分歴,選択する処分が他の公務員や社会に及ぼす影響など,諸般の事情が総合的に考慮される必要があり,こうした判断は平素から庁内事情に通じ,部下職員の指揮監督に当たる者に任せるのでなければ適切な結果を期待できないことにある。[№51]
(参照条文)国家公務員法
第82条職員が,次の各号のいずれかに該当する場合においては,これに対し懲戒処分として,免職,停職,減給又は戒告の処分をすることができる。
一この法律若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令(国家公務員倫理法第5条第3項の規定に基づく訓令及び同条第4項の規定に基づく規則を含む。)に違反した場合
二職務上の義務に違反し,又は職務を怠つた場合
三国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合2(略)
ウ. 違法建築物に対する除却を命ずる権限の行使を求めて隣地所有者が義務付け訴訟を提起する場合,権限行使の不作為の違法確認訴訟を併合提起した上で,当該権限を行使しないことが裁量権の範囲を超え,又は濫用になることを主張しなければならない。[№52]
(参照条文)建築基準法
第9条特定行政庁は,建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については,当該建築物の建築主,当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者,管理者若しくは占有者に対して,当該工事の施工の停止を命じ,又は,相当の猶予期限を付けて,当該建築物の除却,移転,改築,増築,修繕,模様替,使用禁止,使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。2~15(略)
エ. 地方公務員法第28条第1項に基づく分限処分には,降任と免職とがあるが,両者は,職に必要な適格性を判断するという点において共通するので,降任の場合と免職の場合とで裁量的判断を加える余地に差異はない。[№53]
(参照条文)地方公務員法
第28条職員が,左の各号の一に該当する場合においては,その意に反して,これを降任し,又は免職することができる。
一勤務実績が良くない場合
二心身の故障のため,職務の遂行に支障があり,又はこれに堪えない場合
三前二号に規定する場合の外,その職に必要な適格性を欠く場合
四職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合2~4(略)