第22問配点 3点
損失補償に関する次のアからエまでの各記述について,法令又は最高裁判所の判例に照らし,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[№42]から[№45])
ア. 収用委員会の裁決のうち損失の補償に不服がある被収用者は,起業者を被告として,正当な補償額と裁決に定められていた補償額との差額の給付を求める訴えを提起するとともに,収用委員会を被告として,裁決の取消しを求める訴えを提起することが必要である。[№42]
イ. 土地収用法が補償を義務付けている「通常受ける損失」(同法第88条)とは,客観的社会的にみて収用に基づき被収用者が当然に受けるであろうと考えられる経済的・財産的な損失をいうと解するのが相当であるから,経済的価値でない特殊な価値については補償の対象とはならない。[№43]
(参照条文)土地収用法
第88条第71条,第72条,第74条,第75条,第77条,第80条及び第80条の2に規定する損失の補償の外,離作料,営業上の損失,建物の移転による賃貸料の損失その他土地を収用し,又は使用することに因つて土地所有者又は関係人が通常受ける損失は,補償しなければならない。
ウ. 行政財産たる土地につき使用許可によって与えられた使用権は,それが期間の定めのない場合であれば,当該行政財産本来の用途又は目的上の必要を生じたときはその時点において原則として消滅すべきものであり,また,権利自体にこのような制約が内在しているものとして付与されているものとみるのが相当であるから,上記の必要が生じたことを理由として許可を撤回する場合,補償が必要となることはない。[№44]
エ. 土地収用法による補償金額は「相当な価格」(同法第71条)等の不確定概念をもって定められているので,補償の範囲及びその額の決定については,収用委員会の合理的な裁量にゆだねられているものと解される。[№45]
(参照条文)土地収用法
第71条収用する土地又はその土地に関する所有権以外の権利に対する補償金の額は,近傍類地の取引価格等を考慮して算定した事業の認定の告示の時における相当な価格に,権利取得裁決の時までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額とする。