第24問配点 3点
行政法上の諸原則に関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[№49]から[№52])
ア. 行政には自らの活動を各種の手段を通じて国民に説明する責務があるとする説明責任の原則は,アカウンタビリティ(accountability)の原則と呼ばれることに示されているように,アメリカに固有な制度に由来するものであり,我が国の法令の目的規定等において明文で掲げられた例はない。[№49]
イ. 地方自治法第2条第14項は,行政活動は経済性,効率性等の見地から適切なものでなければならないとの原則を明文化したものである。しかし,この原則は行政内部にのみ妥当するものであるから,専門の機関である監査委員等のみがその統制を行うことができ,住民訴訟等において裁判所が同原則の違反を統制することは許されない。[№50]
(参照条文)地方自治法
第2条第14項 地方公共団体は,その事務を処理するに当つては,住民の福祉の増進に努めるとともに,最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。
ウ. 地方公共団体の企業誘致施策が変更されたことによる損害の賠償を誘致の相手方の企業が請求した事件について,最高裁判所は,特定の者に対する行政の具体的勧誘を伴った場合であって,求められた活動が長期にわたる施策の継続を前提として初めてこれに投入する資金・労力に相応する効果を生じ得るものであるときには,代償的措置を講ずることなく施策を変更することは,それがやむを得ない客観的事情によるのでない限り,信頼関係を不当に破壊するものとして違法性を帯びる,と判断した。[№51]
エ. ある産業廃棄物処理施設の建設計画があることを知った地方公共団体が,規制対象事業場に認定された処理施設について一定区域内におけるその操業を禁止する水源保護条例を制定した上で,当該処理施設を規制対象事業場に認定した事例において,最高裁判所は,認定前における事業者との協議の規定が条例に盛り込まれていたことなどに照らすならば,当該地方公共団体には,事業者と十分に協議し,水源保護の目的にかなうよう事業内容を改めるなどの指導をして,その地位を不当に害することのないよう配慮する義務がある,と判断した。[№52]