2025年 予備試験 論文式 環境法 第1問
問題
配点 50点[環 境 法]
次の文章を読んで、後記の〔設問〕に答えなさい。
水質汚濁防止法(以下「水濁法」という。)の総量規制の区域外であるA県B町は古くから工業が盛んな地域であるが、同町内を流れるC川近くには、事業会社Dが設置する水濁法上の特定事業場であるメッキ工場Eがあった。工場Eは、同工場で使用した水を水濁法上の排水基準に適合するように同工場内に設置された浄化装置により浄化してC川に排出していた。
〔設問〕
⑴ 水濁法が排出水の排出規制の仕組みとして採用している総量規制について簡潔に説明し、排水基準による規制に加えて総量規制を採用した趣旨について論じなさい。
⑵ D社は、工場Eに隣接して、水濁法上の特定事業場であるメッキ工場Fの新設を計画している。C川に工場Fで使用した水の排出を開始するためD社が水濁法上採るべき手続について述べなさい。また、D社が前記手続上の義務を果たした場合において、D社の計画の内容では工場Fからの排出水が排水基準に適合しないと認められるとき、A県知事が水濁法上採り得る措置について述べなさい。
⑶ 設問⑵の過程が完了し、工場FからC川への排水が始まったが、C川流域の住民らは、独自にC川の水を採取するなどの調査を行った結果、工場Fからの排出水が排水基準に適合していない疑いがあるとして、その旨をA県知事に伝えた。この情報をもとに、A県が工場F付近でC川の水を採取し検査した結果、工場Fからの排出水が排水基準に適合していない疑いが強まった。A県知事はⅮ社に対して、水濁法上、どのような措置を採ることができるか述べなさい。
⑷ 工場Fは、浄化装置の故障により、排水基準に適合していない排出水をC川に排出してしまった。その後、工場Fより下流の地点からC川の水を引き込んで川魚の養殖を営む養殖業者Gの養殖魚が全滅した。Gは、D社に対して、その損害の賠償を求めて訴訟を提起することを考えているが、どのような法的構成が考えられるか。住民らの生命・身体に害が及んだ場合に住民らが損害賠償請求訴訟を提起する場合と比較して論じなさい。
出典:法務省「2025年司法試験予備試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。