司法試験論文式過去問演習

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2011年 司法試験 論文式 倒産法 第2問

問題

配点 50点

〔第2問〕(配点:50)

次の事例について,以下の設問に答えなさい。

【事 例】

X株式会社(以下「X社」という。)は,甲建物をY株式会社(以下「Y社」という。)に賃貸し,Y社は,甲建物において製造業を営んでいた。ところが,Y社が賃料の支払を怠ったため,X社は,賃料不払を理由に賃貸借契約を解除したと主張して,平成20年1月7日,Y社を被告として,賃貸借契約の終了に基づき,甲建物の明渡し並びに未払賃料及び明渡し済みに至るまでの賃料相当損害金の支払を求める訴えを提起した(以下,提起された訴訟を「本件訴訟」という。)。

その後,Y社は,同年2月1日,裁判所から再生手続開始決定を受けたが,同時に監督命令が発せられ,監督委員として弁護士Aが選任された。Y社は,同年5月1日,再生計画案を作成して裁判所に提出した。

Y社の再生計画案は,届出再生債権者の多数の賛成を得て可決され,同年8月1日に再生計画の認可決定が確定した。

認可された再生計画(以下「本件再生計画」という。)の骨子は,次のとおりである。

・ 再生の基本方針

Y社は,コストの削減に努めるとともに,売れ筋商品の製造に特化して収益を上げる。そして,その収益でもって,確定再生債権額に対し,破産配当率3%を超える8%に相当する額を平成21年から平成28年まで毎年4月末日限り均等分割で支払う。

・ 再生債権の総額及び債権者数

再生債権の総額10億円
債権者数40名

再生計画の認可決定の確定後,Aは,Y社の本件再生計画の遂行を監督し,Y社は,本件再生計画に基づき,平成21年4月末日に第1回目の,平成22年4月末日に第2回目の支払をしたが,その後,コストの削減が思うようにいかず,販売不振も重なって収益が上がらず,全ての再生債権に対する平成23年4月末日の第3回目の支払をしなかった。

本件再生計画の定めによって認められた確定再生債権の総額は,8000万円であり,同日時点において履行された額は,2000万円である。

〔設 問〕 以下の1及び2については,それぞれ独立したものとして解答しなさい。

1.本件訴訟は,Y社についての再生手続開始決定によりどのような影響を受けるか論じなさい。

2.上記事例において,確定した1億円の再生債権を有しており,本件再生計画の定めによって200万円の弁済を受けているZは,このままの状態が続くと,Y社の損失はますます膨らみ,自己の債権の残額の回収が著しく困難になると考えた。Zは,民事再生法上,どのような措置を採ることができるか論じなさい。

出典:法務省「2011年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。