2011年 司法試験 論文式 環境法 第2問
問題
配点 50点〔第2問〕(配点:50)
Aは,B県内にある自ら所有する土地(以下「本件土地」という。)で工場(以下「本件工場」という。)を操業し,トリクロロエチレンを用いてきたが,平成11年12月に本件工場の使用を廃止し,遊休地とした。平成13年12月,Aは,本件土地をCに売却した。平成22年6月,Cは,本件土地にマンションを建設するために大規模な土地開発工事をする際,B県知事の処分に基づく義務により,指定調査機関Dに委託して調査をしたところ,トリクロロエチレンに関して,汚染状態についての環境省令で定める基準値を超過していた。そして,その汚染土壌を掘削し除去するには40億円,封じ込めるには5億円の費用が掛かることが見積もられた。
その後,同年8月,B県知事は,本件土地を要措置区域に指定し,Cに対して封じ込め措置を採るよう指示したところ,Cはマンションの分譲を円滑に行うために,40億円掛けて掘削除去をし,平成23年1月に除去工事を完了した。
なお,平成3年には土壌汚染の環境基準が策定され,平成6年に告示改正によって環境基準項目にトリクロロエチレンが追加されていた。
現在は平成23年5月であることを前提とし,以下の各設問に答えよ。なお,水質汚濁防止法及び商法上の問題については考慮しないこととする。
〔設問1〕
⑴ Cが本件土地の開発工事の際,調査をしなければならなかった理由を説明せよ。
⑵ 大規模な開発工事の場合を土壌汚染の調査の契機とする制度は,最近になって導入されたものである。その必要性について説明せよ。
〔設問2〕
Cは,Aに対して,どのような根拠に基づいて,どのような請求ができるか。
出典:法務省「2011年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。