2006年 司法試験 論文式 環境法 第1問
問題
配点 50点[環 境 法]
〔第1問〕(配点:50)
産業廃棄物に関して,「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)は,1970年の制定時より,排出事業者処理責任を基本的方針としている。ところが,この方針の下で,具体的な法政策は,変遷している。[資料]は,2000年に改正される以前の廃棄物処理法の,不法投棄に対して原状回復を求める措置命令規定及びその関係条文である。
これを読んだ上で,以下の設問に答えよ。
〔設 問〕
1. [資料]に掲げた措置命令規定に対応する現在の廃棄物処理法の関係規定は,基本的に,2000年改正によるものであるが,それ以前の規定とは,どのように異なっているか。排出事業者から適法な委託を受けた産業廃棄物収集運搬許可業者が,委託に係る産業廃棄物を不法投棄した場合を念頭において論ぜよ。
2. 2000年改正は,排出事業者処理責任の観点からは,どのように評価することができるか。改正に至る背景に触れつつ論ぜよ。
[資 料]2000年改正前の廃棄物処理法
(措置命令)
第19条の4第1項 次の各号に掲げる場合において,生活環境の保全上支障が生じ,又は生ずるおそれがあると認められるときは,当該各号に定める者は,必要な限度において,当該処分を行つた者(……第12条第3項,……の規定に違反する委託により当該処分が行われたとき,……は,これらの委託をした者を含む。……)に対し,期限を定めて,その支障の除去又は発生の防止のために必要な措置……を講ずべきことを命ずることができる。
一 (略)
二 産業廃棄物処理基準……に適合しない産業廃棄物の処分が行われた場合 都道府県知事
(…)
(事業者の処理)
第12条第3項 事業者は,その産業廃棄物の運搬……を他人に委託する場合には,政令で定める基準に従い,その運搬については第14条第8項に規定する産業廃棄物収集運搬業者……に,……委託しなければならない。
(産業廃棄物処理業)
第14条第1項 産業廃棄物……の収集又は運搬を業として行おうとする者は,当該業を行おうとする区域……を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。……
第14条第8項 第1項の許可を受けた者……は,産業廃棄物処理基準に従い,産業廃棄物の収集若しくは運搬……を行わなければならない。
出典:法務省「2006年司法試験論文式試験問題」。原本PDFから本文・表・図を抽出し、字下げ・下線・枠などの体裁を保ったまま、画面の幅に合わせて折り返しています。