第39問配点 2点
次の〔事例〕を前提とし、弁論主義及び職権探知主義に関する次の1から5までの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを2個選びなさい。(解答欄は、[№40]、[№41]順不同)
〔事例〕Xは、Yに対し、300万円を貸し付けたと主張して、消費貸借契約に基づく貸金返還請求として300万円の支払を求める訴えを甲裁判所に提起した(以下、この消費貸借契約を「本件消費貸借契約」といい、この訴えを「本件訴え」という。)。
1. 口頭弁論期日において、Yが貸付けの事実を認める陳述をしたが、甲裁判所は、証拠調べの結果、貸付けの事実が認められないと判断した場合には、貸付けの事実が存在しないことを理由として、Xの請求を棄却することができる。
2. 口頭弁論期日において、Yが貸付けの事実を認める陳述をした上で、既に全額弁済したと主張し、弁済に際してXから交付されたものであるとする領収証を証拠として提出した。Xがその領収証の成立の真正を認める旨の陳述をした場合であっても、甲裁判所は、その領収証がXによって作成されたものではないと判断したときは、その領収証が真正に成立したものではないと認めることができる。
3. Xは、Yが貸付けの事実を認めた上で、消滅時効の抗弁を主張したため、時効の更新の再抗弁として、Yから300万円のうち100万円の弁済を受けた事実を主張したところ、Yはこの弁済の事実を否認した。Xが当初の300万円の貸金返還請求を維持している場合において、甲裁判所は、証拠調べの結果、100万円の弁済の事実が認められると判断したときは、Xの請求について、200万円の支払を求める限度で認容し、その余を棄却することができる。
4. Xが、乙裁判所にも、Yを被告とする本件消費貸借契約に基づく300万円の貸金の返還を求める訴えを提起し、その訴訟が係属中であるにもかかわらず、更に本件訴えを提起したことが判明した場合には、甲裁判所は、X及びYが乙裁判所に本件消費貸借契約に基づく貸金返還訴訟が先に係属していた事実を主張していないときであっても、本件訴えを却下することができる。
5. Xが、本件訴えの提起に先立ち、乙裁判所にも、Yを被告とする本件消費貸借契約に基づく300万円の貸金の返還を求める訴えを提起したが、貸付けの事実が認められないとして、請求を全部棄却する判決を受け、これが確定していることが判明した場合でも、甲裁判所は、X及びYが乙裁判所の確定判決の存在を主張していないときは、乙裁判所の確定判決の既判力の存在を判決の基礎とすることはできない。