第8問配点 3点
不能犯と未遂犯を区別する基準についての次の【見解】に関する後記1から5までの各【記述】を検討し,正しいものを2個選びなさい。(解答欄は,[№9],[№10]順不同)
【見 解】
行為当時に一般人が認識し得た事情及び行為者が特に認識した事情を基礎とし,一般人を基準に結果発生の危険性があるか否かの判断による。
【記 述】
1. この【見解】によれば,人を殺そうとして,客観的には死の結果を引き起こさない量の空気を人の血管内に注射した場合,殺人未遂罪の成立が認められる余地がある。
2. この【見解】によれば,結果発生の危険性の有無は,実際に存在した事実のほかにどのような事実が存在すれば結果が発生し得たかを事後的見地から検討し,そのような事実が行為時に存在し得る可能性の程度を考慮して判断することになる。
3. この【見解】によれば,人を殺そうとして,一般人ならば明らかに砂糖と分かる黒糖を毒薬と思い込んで紅茶に入れて飲ませた場合,この行為者の認識した事情を基礎として,一般人を基準に,この行為による死の結果発生の危険性の有無を判断することになる。
4. この【見解】によれば,行為者が特に認識した事情も基礎とされるので,結果を引き起こす特別な事情を認識している行為者による行為には結果発生の危険性が認められ,その事情を認識していない行為者による行為には結果発生の危険性が認められない場合がある。
5. この【見解】によれば,結果が発生しなかった原因が科学的に説明できる場合には,常に結果発生の危険性は否定されることになる。