第8問配点 2点
放火の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。(解答欄は,[№9])
1. 甲は,住宅街の駐車場に駐車中の乙所有の自動車を燃やそうと考え,自己の自動車に灯油を積みライターを持って同自動車を運転して同駐車場に向かったところ,その途中,交通事故を起こし,乙所有の自動車に放火することができなかった。この場合,甲には,建造物等以外放火罪の予備罪が成立する。
2. 甲は,乙が居住する乙所有の家屋を燃やそうと考え,同家屋に放火し全焼させたところ,同家屋内で就寝中の乙が焼死した。甲が乙を殺そうと考えて同家屋に放火した場合でも,甲には,法定刑に死刑を含む現住建造物等放火罪のみが成立する。
3. 甲は,山奥で乙を殺害した後,乙の失踪を装うため,乙が一人で居住していた丙所有の家屋を燃やそうと考え,同家屋に放火し全焼させた。同家屋に人がいなかった場合でも,甲には,現住建造物等放火罪が成立する。
4. 甲は,不要となった甲所有の自動車を燃やそうと考え,同自動車に放火し全焼させ,公共の危険を生じさせた。甲に公共の危険が生じることについての認識がなかった場合でも,甲には,建造物等以外放火罪が成立する。
5. 甲は,乙が居住する乙所有の家屋を燃やそうと考え,同家屋の壁際に駐車されていた乙所有の自動車に放火して焼損し,同家屋への延焼の危険を生じさせたが,その火は通行人により消し止められ,同家屋に燃え移らなかった。この場合,甲には,建造物等以外放火罪のみが成立する。