第7問配点 3点
次のアからオまでの各記述は,慣用句を用いた例文である。下線部分の用法についてのコメントとして明らかに誤っているものを,後記1から5までの中から選びなさい。(解答欄は,[№7])
ア. 先輩の驥尾に付して,何とか新事業を軌道に乗せることができた。
イ. 思慮深い先人の轍を踏んで,私も少しでも社会のために貢献したいと願っている。
ウ. 彼があの苦境を救ってくれたのだ。ずっと昔,彼が困っていた時に力を貸してやったことがあるが,やはり情けは人のためならずだな。
エ. 私が受賞できたのはまさに出藍の誉れであり,先生の長年の懇切なご指導に心から感謝します。
オ. 二人はあれほど親しかったのに,あの事件以来,断琴の交わりとなっているようだ。
1. 「驥尾に付す」は,青蠅が自分の力では遠くへ飛べないにもかかわらず,名馬の尾に付いて行けば一日に千里も行くことができる,というところから,後進者が優れた先達に付き従って事を成し遂げたり功を立てたりすることをいうので,アの例は適切である。
2. 「轍を踏む」は,前に行った車のわだちを後の車が踏んでいくという意から,前の人が陥ったのと同じ失敗を繰り返すことをいうので,イの例は適切ではない。
3. 「情けは人のためならず」は,人に親切にしておけば必ず良い報いとなって自分に戻ってくることをいうので,ウの例は適切である。
4. 「出藍の誉れ」は,青色の染料は藍から取るが,原料の藍よりも青いという意から,弟子が師より優れていることをいうので,弟子が師に対して通常使う語句ではなく,エの例は適切ではない。
5. 「断琴の交わり」は,琴の名手であった伯牙が自分の奏でる琴の音を真に理解する相手を失ったため,絃を断ち切り,二度と琴を弾こうとしなかったという故事に基づき,交際を絶つことをいうので,オの例は適切である。