第11問配点 3点
次の【事例】に引き続く事情に関する後記アからオまでの各【記述】を判例の立場に従って検討し,甲に殺人未遂罪の中止犯が成立する場合には1を,成立しない場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[№19]から[№23])
【事 例】
甲は,殺意をもって,乙の頭部目掛けて包丁で1回切り付けたが,乙は,これを左腕で防いだため,左前腕部切創の傷害を負った。
【記 述】
ア. 乙の負った傷害は,全治約2週間の左前腕部切創にとどまり,生命に危険のある状態には至らなかった。甲は,更に乙に切り付けようとしたが,通行人が近づいてくるのを認めて,自己の犯行が発覚すると思い,その場から逃走した。[№19]
イ. 乙は,前記左前腕部切創に起因する出血のため,早期に治療を受けなければ出血性ショックにより死亡する危険のある状態となった。甲は,乙に致命傷を与えたと思い,その場を立ち去ろうとしたが,乙から「助けてくれ。」と懇願されたため,憐憫の情を催し,通行人に「あそこに怪我人がいるから,あとはよろしく。」とだけ告げて立ち去った。乙は,その通行人が手配した救急車によって病院に搬送されて治療を受けた結果,死亡するに至らなかった。[№20]
ウ. 乙の負った傷害は,全治約2週間の左前腕部切創にとどまり,生命に危険のある状態には至らなかった。しかし,甲は,乙に致命傷を与えたものと信じ込み,その場を立ち去った。[№21]
エ. 乙の負った傷害は,全治約2週間の左前腕部切創にとどまり,生命に危険のある状態には至らなかった。甲は,更に乙に切り付けようとしたが,乙から「助けてくれ。」と懇願されたため,憐憫の情を催し,そのままその場から立ち去った。[№22]
オ. 乙は,前記左前腕部切創に起因する出血のため,早期に治療を受けなければ出血性ショックにより死亡する危険のある状態となった。甲は,更に乙に切り付けようとしたが,乙から「助けてくれ。」と懇願されたため,憐憫の情を催し,乙を病院に搬送して治療を受けさせたが,乙は治療の甲斐なく出血性ショックにより死亡した。[№23]