第24問配点 3点
行政裁量に関する次のアからエまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らし,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[№47]から[№50])
ア. 都市計画法に基づいて都市施設の規模,配置等に関する事項を定めるに当たっては,当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で,政策的,技術的な見地から判断することが不可欠であるが,このような決定をする行政庁に広範な裁量までは認められていない。[№47]
イ. 公立学校の校長が学生に対し原級留置処分又は退学処分を行うかどうかの判断は,校長の合理的な教育的裁量にゆだねられるべきものである。しかし,退学処分は,学生の身分をはく奪する重大な措置であることなどからすると,当該学生を学外に排除することが教育上やむを得ないと認められる場合に限って退学処分を選択すべきであり,その要件の認定につき他の処分の選択に比較して特に慎重な配慮を要するものである。[№48]
ウ. 道路運送法(平成12年法律第86号による改正前のもの)第9条第2項第1号は,運賃の設定及び変更の認可基準の一として,「能率的な経営の下における適正な原価を償い,かつ,適正な利潤を含むものであること。」との基準を定めているが,その趣旨は,一般旅客自動車運送事業の有する公共性ないし公益性にかんがみ,安定した事業経営の確立を図るとともに,利用者に対するサービスの低下を防止することを目的としたものである。同号の基準は抽象的,概括的なものであり,同基準に適合するか否かは,行政庁の専門技術的な知識経験と公益上の判断を必要とするから,ある程度の裁量的要素があることを否定することはできない。[№49]
エ. 地方公務員法第28条所定の分限制度は,公務の能率の維持及びその適正な運営の確保の目的から同条に定めるような処分権限を任命権者に認めるとともに,他方,公務員の身分保障の見地からその処分権限を発動し得る場合を限定したものである。分限制度のこのような趣旨・目的に照らし,かつ,同条に掲げる処分事由が被処分者の行動,態度,性格,状態等に関する一定の評価を内容として定められていることを考慮すると,同条に基づく分限処分については,任命権者にある程度の裁量権が認められている。[№50]
(参照条文)地方公務員法
第28条職員が,左の各号の一に該当する場合においては,その意に反して,これを降任し,又は免職することができる。
一勤務実績が良くない場合
二心身の故障のため,職務の遂行に支障があり,又はこれに堪えない場合
三前二号に規定する場合の外,その職に必要な適格性を欠く場合
四職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合2~4(略)