第35問配点 3点
次のアからエまでの教授と学生との間の問答における学生の答えについて,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[№70]から[№73])
ア.教授:
今日は,マンション建築に係る建築確認について,周辺住民から提起された建築確認取消訴訟を例に挙げて,取消訴訟の手続等に関して勉強してみよう。まず,建築確認について,建築基準法に違反する点があれば,周辺住民は,だれでもその取消訴訟を提起できるのかな。
学生:
周辺住民ならだれでも取消訴訟を提起できるわけではないと思います。建築確認について,建ぺい率や容積率,高度制限に違反するような違法がある場合に,当該マンション建築によって,日照を妨げられるなど,具体的な被害を受けるおそれのある者には原告適格が認められる余地がありますが,単に周辺住民というだけでは,幾ら建築確認に建築基準法に違反する点があっても取消訴訟の提起は無理だと思います。[№70]
イ.教授:
取消訴訟は,その訴えを提起すべき期間に,何らかの制限があったかな。
学生:
これは,行政訴訟の常識です。取消訴訟は,処分や裁決があったことを知った日から6箇月を経過したとき,又は処分や裁決の日から1年を経過したときは,どんな理由があるにせよ,提起することができないことになっています。これを出訴期間といい,出訴期間を徒過した取消訴訟は,訴えを却下されることになるので,周辺住民は,このことに気を付ける必要があります。[№71]
ウ.教授:
周辺住民からの建築確認の取消訴訟において,もしも,これが取り消されることになると,建築確認を受けたマンション建築業者は,当該訴訟の当事者にならないままに,建築確認の効力が失われて,不測の損害を被ることになりかねないが,このような業者の保護は,どのように図られることになるのかな。
学生:
マンション建築業者は,訴訟の結果により権利を害される場合は,裁判所に申し立てて当該訴訟に参加することができますし,裁判所も,職権で当該業者を当該訴訟に参加させることができます。[№72]
エ.教授:
建築確認の取消訴訟の係属中に,問題のマンションの建築工事が完了した場合は,建築確認の取消しを求める意味がなくなってしまうように思うが,このような場合にも訴えの利益はあるのかな。
学生:
建築確認が違法であるとして判決でそれが取り消されれば,その判決の拘束力によって,行政庁は,建築物に関する完了検査についての検査済証の交付を拒否することや違反是正命令を発することを義務付けられますから,建築工事が完了しても,建築確認の取消しを求める訴えの利益は失われないと思います。[№73]