第21問配点 3点
国家賠償法第1条に関する次のアからエまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らし,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[№48]から[№51])
ア. 同一の地方公共団体に属する公務員による一連の職務行為の過程において他人に損害を生じさせる事態が発生した場合,一連の行為のうちのいずれかに過失による違法行為があったのでなければ当該損害が生ずることはなかったと認められるときは,どの公務員のどのような違法行為によるものかが特定されなくても,当該地方公共団体は,その不特定を理由として損害賠償責任を免れることができない。[№48]
イ. 裁判官による争訟の裁判については,当該裁判官に事実認定や法律解釈の誤りがあったとしても,それは上訴等の訴訟法上の救済方法によって是正されるべきものであるから,国家賠償法第1条第1項にいう違法な行為に当たるものとして争うことができるのは,そのような訴訟法上の救済が及ばない瑕疵に限られる。[№49]
ウ. 国家賠償法第1条の「その職務を行うについて」に該当するためには,少なくとも公務員が主観的に権限行使の意思をもってする場合であることを要するから,公務員が私利私欲を図る意図をもって職権を濫用し,その結果他人に損害を与えたとしても,当該公務員個人の損害賠償責任が生ずるにとどまり,国又は公共団体が賠償責任を負うことはない。[№50]
エ. 宅地建物取引業法は,宅地建物取引業者の不正な行為により個々の取引関係者が被る損害の防止・救済を目的とするものではないから,当該業者に対する行政庁の監督処分権限の不行使が著しく不合理と認められる場合でも,当該権限の不行使は国家賠償法第1条第1項の適用上違法の評価を受けるものではない。[№51]